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綺麗と美しい

2008年10月02日

綺麗と美しい


今日、岡本太郎の特番がTVで放映された。
そのなかで印象的だったのが、
「綺麗と美しいはまったく正反対のものだ」
という言葉。
岡本太郎の言葉は、命がけの直球ばっかりで攻めてくるから、ズシーンと心に響きます。
彼の著書「沖縄文化論」の冒頭に、東北地方の残酷物語の話がでてくる。
貧しい父と幼い娘と息子の話。
食べるものもなく、窮地な生活の中で、
ある美しい夕焼けの日に、子供たちが、懸命に斧を研いでいる。
「お父さん、これで私たちを殺してください」
自分達の死が、どれだけ父を助けるかという、子供たちの愛。
父は、美しい夕焼けの中、なにかにとりつかれたように、
子供たちの首に斧を下ろしてしまう。

このストーリーには、一生忘れ得ないであろう美の呪力が携わっている。
深いオレンジ色の中での、親子の悲劇なんだけども、
そこには愛と美の命がけのきらめきがある。

綺麗は、瞬間、一時的な状況をさすもので、
美しいは、純粋な衝撃であり、深く心の中に根を下ろすものなのか。

うーん、私の人生も、美しい人生でありたい。


タグ :岡本太郎

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Posted by 首里フジコ at 00:53│Comments(2)□ブ ロ グ
◆ この記事へのコメント
美しいとキレイは深さが違うということなんですね~
なるほどです。番組見逃しました。見たかったな~

「沖縄文化論」は内容もさることながら、写真も気に入ってます。「今日の芸術」も読み返したりしますよ。
「全人間的に~」とか、「いよいよ~」とかいう言葉に
テンションンが上がりますね~(笑)
Posted by tiki-ttiki-t at 2008年10月04日 00:24
>tiki-tさん

太郎さんの言葉には元気がでます。
一番好きな言葉、というか最初にぐざっときた言葉は「太郎さんは写真や彫刻や絵画や執筆などいろいろなさっていますが、あなたの本職はなんですか?」と記者が聞く。太郎さんが答える。「本職?そんなものはないね。あえてて言うなら人間かな」っていう名言が大好きです。私も音楽やら美術やら、デザインやらパフォーマンスやら、いろいろ大好きなので、この言葉に出会って救われました。人間として、いい仕事できなきゃ、職業的ないい仕事ってのもありえないわけで。

綺麗と美しいの話は、著書「自分の中に毒を持て」の中にもでてきますよ。
Posted by 首里首里 at 2008年10月04日 00:48
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